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「人気メディアの仕掛け人が考えるコンテンツマーケティングの裏側、地域の魅力を引き出すコンテンツの考え方とは」 2014年10月3日開催 第7回東北セミナー 第4部

  • カテゴリー:イベント報告
  • 委員会・WG:東日本大震災・被災地支援プロジェクト

「地域の魅力を引き出すコンテンツマーケティング」と題した東北セミナー第四部では、ネットイヤーグループの倉重氏をモデレーターに、LIGの吉原氏とHUGの本間氏を迎えてディスカッションが行われた。三者三様の方法でコンテンツを生み出してきた3人が、その秘訣を語った。

ユーザー目線で作り続けてきたコンテンツ


株式会社LIG
代表取締役副社長/株式会社TRIP
代表取締役社長
吉原 ゴウ氏

東京上野のWeb制作会社LIGは、仕事に関するトピックスから、「社長を砂浜に埋める」などのおもしろ企画まで、独自の「LIGブログ」を展開することで知られている。ブログは毎日更新され、月間300万PVほどのアクセスがあると吉原氏は話す。また、Webサイト制作以外に、シェアハウスやゲストハウスなどの事業も行っているという。

「仕事だけでなく、プライベートに踏み込んだ発信を行うことで、気づかないうちにコンテンツマーケティングをやっていると周りから言われるようになった。ブログを始めた4年前は、そのような言葉もなく、おもしろおかしくやって、自分たちを知ってほしいと思ってやっていただけ」と話し、ユーザー目線で求められている情報をブログで配信するように心がけているという。

元々、営業マンや広告のコストが出せないために、一緒に仕事がしたいというファンを増やそうと、ブログで情報発信を続けてきたことが現在の原型になっている。また、広告企画として、高知県から依頼を請けて二泊三日で高知を遊んでいる様子をブログにしたり、ブログ内で依頼を請けた商品を紹介することもあるようだ。

生産者と消費者をつなぐ食べる情報誌



NPO法人HUG代表理事/NPO法人東北開墾
理事
本間 勇輝氏

HUGの本間氏は、震災の半年後に、隣の町の取り組み状況が伝わってこないという声を聞き、自治体やNPO、支援企業の横の連携を行えるように、震災復興関係者の業界紙「東北復興新聞」を発刊している。

また、食べ物付きの情報誌「東北食べる通信」を発行するNPO法人、東北開墾を地元の人と共同で立ち上げた。生産者の生き様や半生を伝える雑誌をつくり、その生産者のつくる食べ物をオマケに付けるという「食べ物つきの月刊誌」を発行している。

「生産者の生き様が商品で、その方が作っている食品を季節に合わせて届けるというサービス」と話す本間氏は、定期購読者のみが入れるFacebookページで、生産者や他の購読者とコミュニケーションできると説明する。食べ物と情報だけでなく、体験やコミュティを提供することで、生産者と消費者、都市と地方をつなげる活動を行っていることを示している。

現在、東北だけでなく、全国のさまざまな町で同じような取り組みができるように横展開し、2015年までに10通信、3年間で100通信10万会員を目指しているという。


食材と情報誌がセットで届く「東北食べる通信」

地域がメディアを持って情報発信することの意味


ネットイヤーグループ株式会社
地域共創事業部 事業部長
東日本大震災・被災地支援プロジェクト プロジェクトメンバー
倉重 宜弘氏

ネットイヤーグループの地域共創事業部では、日本各地にあるよいものが知られていない現状から、地域自身がメディアを持って発信する必要があると考え、地元在住のフォトライターが発信する必要があると考え、地域共創メディアの可能性を探っていると倉重氏は説明する。

たとえば、「沖縄CLIP」はその取り組みの1つ。非常に反響が大きく、Facebookのファン数も45万人を超え、サイトのアクセスも増加中である。その実績などから、瀬戸内近隣7県を統合した瀬戸内ブランド推進連合の依頼を請け、同様の「瀬戸内Finder」という取り組みも始めている。

地域共創メディアの定義を、メディアのターゲットをデジタルでグローバルまで広げたものと説明する倉重氏は、英語や中国語も使ってグローバル対応し、地元ライターなどの地域共創エコシステムでデジタルメディアをフル活用するほか、収益化による継続性も確保しなければならないと話す。情報発信だけでなく、地域のサービスや商品を地元と一緒に作るなどの取り組みも行われているという。


地元ライターが沖縄の情報を発信する「沖縄CLIP」

地域の魅力を引き出すコンテンツの作り方・出し方とは

ディスカッションでは、まず倉重氏が「コンテンツを作って世の中に出すという共通点が3人にはあるが、地域の魅力の引き出し方のコツはどこにあるのか」という質問を投げかける。

吉原氏:そのコンテンツに魅力があるのか、自分が好きかどうかを最初に考える。魅力はないかもしれないというところからブレてしまうと、非常に苦労する。ブログで商品を紹介することもあるが、プロモーションしても無理と思えるような商品はお断りしている。コーポレートサイトで紹介するので、変な物は紹介できないし、会社の信用を失うことになる。本質的によいものかどうかを見極めることが重要で、手法はその次だと思う。また、カメラのスキルは必須で、魅力を引き出すには写真がキレイじゃないと話にならない。「東北食べる通信」は、写真が本当にすばらしいと思う。

本間氏:制作には、しっかりお金をかけている。魅力を引き出すための考え方としては、コンセプトを徹底的に突き詰めることが重要と考えている。我々は購読者の数を1,500人に限定している。100万人、1,000万人を目指すのではなく、たった1,500人に深く伝わって、深いコミュニティができればよい。とすれば、思いを持って作ることに没頭して、いい意味で好き放題できる。それが結果的に良いクリエイティブにつながると考えている。

倉重氏:逆に、これまでやろうとしてできていないことや、難しいと感じているところはどこだろうか。

吉原氏:地域の観光商品や体験を売買できるWebサービス「TRIP」を運営しているが、難しいところだらけ。体験を売るためのプラットフォームを作って、写真とテキストを載せれば良いものができるというものではなく、意識やお金のかけ方が重要だと思う。

また、Webで何かを表現するときに、カメラマンに対して正当なフィーを払うという文化や意識が低い事業者が多いと思う。自分たちで撮影して中途半端な写真になるのはもったいない。カメラマンを使うだけでも大きく差別化ができると思うが、それが重要であることを伝えるのも非常に苦労する。


観光体験を販売する「TRIP」

本間氏:食べる通信はコミュニティサービスなので、コミュニティをどこまでやるべきか悩む。コミュニティは、直接的にはお金にならない。月に一度、主に東京で会員の交流イベントや生産地ツアーなどをやっている。赤字にはならない程度にお金はもらっているが、調整が大変。コミュニティを持ち上げて純度を上げるための施策にどこまで投資すべきなのか、というところに頭を悩ませている。

見えてきている方向性としては、我々がサービスプロバイダとして、お客様がコミュニティ化していく状態にすること。お客様のなかで意識が高い数%の人に協力してもらい、イベントのアレンジ、会場や生産者との交渉などを行ってくれるようになっていて、それによって負荷が下がり、何とか回せるようにはなってきている。

直接お金にはならないとしても、やったほうがよいことを、どのような手法で行うかがキーになってくると思う。意識してやっているわけではないが、我々がダメなところも読者に見せているのが功を奏しているのだと思う。

吉原氏:着飾らないとか、素直に伝えるというのは非常に重要だと思う。何かを伝えるときに、自分が心を開いていないのに、相手が心を開くことはない。恥ずかしくても、ダメなところを含めてすみませんでしたとすべて言ってしまって、初めて相手が歩み寄ってくれる。

地域発の情報を全国へ

講演の最後、倉重氏が示したテーマは、「今後どこまでサービスを広げようと考えているのか」というもの。3者がそれぞれの考えを次のように示していく。

本間氏:前述のように、3年間で全国に100コミュニティ10万人というのが大きな指針。ビジョンをベースに、社会を変えることを目指しているので、将来的には社会が無視できない規模にはしたい。ゴールは、みなさんがスーパーで買い物する意識が変わること。生産者のことまで考えられれば、もっと地域に行くようになるし、旅の仕方も消費する旅ではなく、何かをプロデュースしたり、作り出す旅になってくると思う。国内だけでなく、海外展開も視野に入れて、同じような地域の課題、食の課題を東北がモデルになって解決していきたい。

吉原氏:TRIPは、地方の人や観光業の人が食べることに困らないようにする取り組みを行い、埋もれている魅力や体験を発掘して、情報発信するハードルを下げていきたい。

倉重氏:そこは非常に共感できる。地元ライターや地元カメラマンなど、才能のある人は日本中に埋もれているので、かっこいい職業として地方でも食べていけるようになれば、地方の見え方が変わってくると思う。地元のクリエイターがちゃんと付加価値の高い仕事ができる環境を作っていきたいと考えている。地方は人材が少ないとか、リテラシーが低いとか言われるが、それは誤解だと痛感した。才能のある人はちゃんといる。しかもそれが生かされる機会が少ないので、かえって集めやすく東京よりもやりやすい部分もある。

吉原氏:
今後何をやるにしても、「×Web」(Webを掛け合わせる)ことは必ずやっていくと思う。LIGはWeb制作会社なので、それにプラスして体験販売、ゲストハウス、シェアオフィスなど、自分の興味のある部分と掛け合わせで事業を展開していけたらおもしろいと考えている。そのときの基準は、自分が楽しめるかどうかで判断していく。

倉重氏:
地域貢献というと、これまでは上から目線でいいことをやってあげようと肩肘を張ってやっているイメージがあったが、20~30代の人たちにはそんな雰囲気はなく、やりたいことをやっているという感じがする。そんななかで、時代に合ったセンスで、どう見せたらユーザーがどう反応するかをちゃんと戦略的に考えてサービス化している人が多い。

重要なのは、ターゲットに合わせたどんなコンテンツを、どう見せるかであって、まさにコンテンツマーケティングそのものだと思う。今日1ras日の講演のなかで、デザイン、SEO、CSV、コンテンツと話が続いたが、最後で結び付けられたような気がする。



第7回東北セミナー 第1部レポート

第7回東北セミナー 第2部レポート

第7回東北S名なー 第3部レポート

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