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「IoTが変革する流通業のマーケティング。マイクロソフトのIoT技術を活用した最新事例」 2015年5月28日開催 月例セミナー 第2部

IoTの時代は未来の話ではなく、すぐそこまできており、コカ・コーラやマクドナルドなど、ナショナルブランドのいくつかは、すでにIoTのデータをマーケティングにも取り入れている。5月月例セミナーの第二部では、日本マイクロソフトの藤井氏が流通業への取り組みを中心にIoTの最新事例を解説した。

IoTを推進するマイクロソフト


日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズパートナー営業統括本部
インダストリーソリューション本部
流通・サービス ビジネスグループ 担当部長
藤井 創一氏

第二部に登壇した日本マイクロソフトの藤井創一氏は、まず、マイクロソフトの製品群について、コンシューマ向けから企業向け、オンプレミスからクラウドまで、さまざまな製品を提供しており、特にIoTの受け皿となるクラウドに注力していることを示す。

また、2014年2月に新CEOのサティア・ナデラ氏が就任してから、クラウドファースト・モバイルファーストを提唱し、モバイルやビッグデータにコミットする製品づくりを進めているという。クラウドの世界で競合企業ともオープンな提携を行い、さまざまなプラットフォームに開発環境を提供していることを藤井氏は強調した。


マイクロソフトはさまざまな分野にプラットフォームを提供する

Windowsは、流通業で利用されるさまざまなデバイスに対応しており、マイクロソフトは流通業のIT基盤を包括的に提供できると藤井氏は話す。先進企業では、センサーやモバイルデバイス、クラウドサービスを組み合わせて活用し、顧客サービスや業務を改革する検討が開始されているという。

例えば、店舗に設置されたセンサーが収集した人流計測情報に、売上情報や天気情報などを掛け合わせて予測・分析を行い、人員配置や発注業務など、各種店舗オペレーションの最適化を検討するのだという。


IoTを活用した接客のイメージ

Kinectセンサーをビジネスに活用

続いて藤井氏は、ゲーム機「Xbox」のジェスチャー・音声認識デバイスの「Kinect」を紹介した。Kinectの技術をビジネスに応用する研究が進められており、開発者向けにAPIも公開されている。

すでにビジネスシーンにおいて実用化されており、例えばユナイテッドアローズは、Kinectのセンサーを活用してマネキンを動かすブランドキャンペーン「Marionettebot 恋するマリオネット」を実施している。

その他にも、自販機のモニターに映されたダンスを真似し、シンクロ率が高ければコカ・コーラがプレゼントされるキャンペーンなどが事例として紹介された。


Kinectのモーションセンサーでマネキンを動かすユナイテッドアローズのキャンペーンが


ダンスゲーム連動キャンペーン「Coke dance vending machine」

マイクロソフトが提供するIoT活用のためのデータ分析機能

次に藤井氏は、Excelは表計算のためだけのソフトではなく、ビッグデータの分析基盤として活用できる機能を持っていると説明する。データ活用のために、高価な分析ツールを使ったり、アナリスト雇ったりするのも1つの手だが、「ビジネスの現場にいる人が直接データを扱うことで初めて意味が出てくる」と、藤井氏はExcelの拡張機能である「Power BI」を示す。


Excelの拡張機能である「Power BI」。単体のサービスとして無償提供もされている
https://powerbi.microsoft.com/

Power BIはいくつかの製品群で構成されており、Wikipediaなどインターネット上のデータやデータベースなどから情報を取得できる「Power Query」、Excelの制限である100万行を超えた大量のデータを取り込み高速に分析する「PowerPivot」、分析結果をビジュアル化してわかりやすくする「Power View」や「Power Map」などが含まれている。米国の広告代理店がPower BIを使い、クロスメディアキャンペーンの成果を可視化した事例もあるという。

実際にWikipediaの人口統計データをExcelに読み込んでビジュアル化するデモを行った藤井氏は、ツイートなどの情報も取れるため、マーケティングにも役立つことを示した。また、ExcelのファイルをSharePointでクラウドに上げれば、自然言語検索で必要な情報を取り出せるため、Excelの操作が不慣れな人でも、簡単に自分の求める情報を取り出して経営判断や意思決定が可能だという。

藤井氏は、「IoTは複雑でわかりにくく、とっつきにくい」と話し、マイクロソフトでは、IoTを「IoYT(Internet of Your Things)」という言葉に置き換えていると説明する。新しいことを行うというより、今あるビジネスにデバイスやセンサー、データ活用といったシナリオを付加することで、まずは進めてみようと企業に問いかけているという。

また、IoTを推進するためには、オープンかつ安価に、だれでも使えるIoTのプラットフォームを提供することが必要であり、マイクロソフトではメーカーの使命として、データの接続から収集、可視化まで、一貫してテクノロジーを提供していることを藤井氏は示した。


マイクロソフトが提供するIoT基盤

マイクロソフト自身でもIoTは活用されており、たとえば、タブレット端末「Surface」の利用状況をインターネット越しにトラッキングすることで、次の製品開発に役立てているという。どのようなシーンでタッチとキーボードを使い分けているのかといった利用データや、ソーシャルメディア上の口コミ情報などを組み合わせて、新型Surfaceの開発に役立てているのだ。

他にも、コカ・コーラでは、クラウドに接続された新型のドリンクディスペンサーを開発し、新たなフレーバーの試験販売データを収集し、テストマーケティングを行っている。さらに、周辺の小売店などへの提案方針に役立てるなど、マーケティングから得た分析結果のさらなる活用を進めていると藤井氏は説明する。


ドリンクディスペンサーをクラウドにつなぎ、利用データを収集

IoTのデータを活用したマーケティングの可能性

続けて藤井氏は、「マイクロソフトは、IoTにおいてデータ活用の領域に重きを置いている」と、同社がMicrosoft Azureで提供しているMachine Learning(機械学習)について説明する。これは、データに含まれるルールや相関関係を統計的手法によってコンピュータに学習させ、その学習内容をもとに将来を予測する機能だ。

Machine Learningは、クラウドサービスとして提供されており、予測モデルを作成して評価し、評価結果を簡単にWebAPIで出力できるという。オンプレミスよりも、安価かつすばやくIoTを活用した予測を始めることが可能で、迅速かつ小規模にトライすることができるため、Machine Learningの評価を行う企業が急増しているという。


Microsoft Azureを活用したクラウドベースの機械学習実行基盤

マイクロソフト自身もMachine Learningを活用しており、たとえば、Xbox用の対戦型ゲームでは、ユーザーの増減を予測し、ユーザーが離反傾向にあるときに追加キャンペーンを行うなどして離反を抑え、顧客のつなぎとめと満足度向上を実現させているという。

また、マクドナルドでは、スマートフォンアプリの膨大な個人の利用履歴データやBeaconなどによるロケーション情報をクラウドに収集、Machine Learningを活用し、ロケーションや時間を加味したクーポンをパーソナライズして配布するようにしている。その他、国内大手の小売業でもパーソナルリコメンデーションなどマーケティングの高度化や、マーケティングオートメーションを検討しはじめていることを藤井氏は明かした。



人の動きを感知してサイネージの情報を切り替える「インテリジェントシェルフ」

最後に藤井氏は、会場に持ち込まれた小売店向けデジタルサイネージ「インテリジェントシェルフ」を紹介する。

SBクリエイティブが開発・展開するインテリジェントシェルフには、Kinectのモーションセンサーが組み込まれており、インターネットを介してMicrosoft Azureクラウドに接続されている。たとえば、近くに人がいないときには人を呼び寄せるようなサイネージを表示させ、人が近づくと各商品の説明を表示するなど、サイネージのコンテンツを状況によって動的に変換することができる。

また、人が商品を手に取ったときには購買を誘発するようにクチコミ情報を表示させたり、関連商品を勧めたりすることも可能。Beaconにも対応しており、スマホを活用したキャンペーンと連動するような仕掛けも行えると藤井氏は説明する。

またインテリジェントシェルフのセンサーが収集した実店舗での消費者の行動は、クラウドに蓄積して分析することが可能だ。過去、把握が難しかったこのような情報と、POSデータなどと組み合わせ分析することで、消費者の実行動にマッチした新たなマーケティング施策を検討することも可能になるのではないかと、藤井氏はIoTの可能性を示した。 


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