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『統合カスタマーエクスペリエンスツールとして進化を続ける「Adobe Analytics」の最新機能』2015年6月22日開催 月例セミナーレポート 第2部

最新のアクセス解析ツールは、どのような機能を持ち、企業のマーケティングに何をもたらすのか。第一部のGoogle アナリティクスの解説に続き、第二部ではアドビ システムズが「Adobe Analytics(旧SiteCatalyst)」および「Adobe Marketing Cloud」の最新動向を解説。他のアドビ製品やサードパーティデータとの連携なども含め、活用例や機能の詳細が語られた。

8つのソリューションを提供するAdobe Marketing Cloud


アドビ システムズ株式会社
グローバル サービス統括本部
コンサルティングサービス本部
DMSコンサルティング部
シニアコンサルタント
安西 敬介氏

登壇したアドビ システムズの安西氏は、まず「データドリブンの定義を変えていきたい」と説明を始める。

データドリブンは、一般的に「データ分析を通し企業のマーケティング課題を見つけ、アクションすること」と定義されるが、「データをそのままパーソナライズやコミュニケーションに利用すること」という意味もある。

行動履歴やモバイルの位置情報によって、サイトの中身や見せ方を変えることもデータドリブンの定義であり、今後の重要なポイントだと安西氏は説明する。いつでも、どこでも使えるモバイルの普及によって、ユーザーは、それぞれの利用シーンにパーソナライズされた、関係性の高いコンテンツをリアルタイムに求めるようになっている。

こうした変化に対応するには、ユーザーのアクションに対するデータを集め、実際の行動を予測しながらコンテンツを生成し、デバイスごとに最適化して提供する必要がある。しかも、それを一瞬で行うことが重要であり、アドビが注力している領域でもあるという。

これらを実現するために、Adobe Marketing Cloudでは8つのソリューションを提供していると安西氏は話す。

Adobe Marketing Cloud

8つのソリューションの下には、7つのコアサービスがあり、すべてのソリューションを統合してコミュニケーションを行えるようにしている。また、その下のプラットフォームでは、サードパーティのデータやコンテンツ、ソリューションと連携して活用できるという。これによって、これまでバラバラだったメール、モバイル、コールセンターなどの各チャネルを統合し、同じコミュニケーションが行えるようになるのだ。

Adobe Analyticsの主な機能

Adobe Analyticsについて解説する安西氏は、Adobe AnalyticsにはStandardとPremiumの2つのエディションがあると、ツール群を比較した機能比較表でその違いを示す。

Adobe Analyticsの機能比較表

また、Adobe Analyticsの主な機能を示し、より高度で幅広く、効率的なデータ分析が可能で、データから効果的なアクションが行えることを示した。

Adobe Analyticsの主な機能

続けて安西氏は、いくつかの機能を解説する。

・Product Report

Product Reportは、製品IDや製品名ごとにコンバージョンとひもづけたレポートだ。クロス集計によって、どのようなキャンペーンや広告経由でコンバージョンに至ったのか分析し、SNS上の反応を組み合わせて分析することもできる。

・Segmentation

データを切り口にさまざまなセグメントを作成して分析できる機能で、行動軸に合わせたセグメントも作成できる。また、「Ad-Hoc Analysis(旧Discover)」やAdobe Marketing Cloudとセグメントを共有できる。

この他、サイト内検索のレポートでは、サイト内検索結果がゼロだった場合のキーワード件数「ゼロ件検索」の結果を把握できる。

たとえば、あるECサイトでは、ゼロ件検索で入荷されていない商品が検索されていることを発見した。そこで、その商品をトライアル導入したところ、今では上位に入る人気商品になり、商品企画部門とともに定期的にゼロ件検索を確認するようになったという。

トップページの検索窓やメニューなど、どのエリアからのアクセスが高いコンバージョン率を示すかレポートすることもできる。上記とは別のECサイトでは、商品検索の利用率は低いものの、コンバージョン率が高いことを発見し、商品検索を目立たせるように改善すると、サイト全体のコンバージョン率が6%向上したという。

さらに、Adobe Analyticsではアトリビューション分析やクロスデバイス分析の可能だと、安西氏は紹介した。

Adobe Analyticsの最新機能

最近追加された新機能として紹介された「Real-Time Report」は、特定の指標をリアルタイムに確認できる機能だ。最終的なレポート作成には1~2時間かかるが、レポート作成前のデータをすばやく確認できるため、キャンペーン実施時の初動確認などに便利だという。

「Anomaly Detection」は、指標を統計的に分析し、突出した異常値を自動的に発見する機能だ。分析を行う箇所を明確にすることで、分析時間の短縮につなげられる。

「Contribution Analysis」は、検出した異常値がどの指標や値の変化によって要因で引き起こされているのか確認できる機能で、すばやい要因分析を可能にする。

CRMデータをひもづけて分析

Adobe Analyticsは、CRMのデータとひもづけた分析もできる。

「Customer Attribute」では、アップロードした顧客情報とオンライン行動情報をひもづけ、顧客の属性情報を分析の条件として利用できる。今後は、Adobe Marketing Cloudの他のソリューションでも利用可能となる予定だ。

また、モバイル対応については、「Adobe Mobile Service SDK」をセットアップすることで、次の計測が行えることを安西氏は示している。

Adobe Mobile Service SDKをセットアップすることで計測できる指標

モバイル分析では、アプリに特化した分析も可能だ。アプリ内の画面移動の状況や残存率のコホート分析など、Adobe Analyticsのレポートと組み合わせながら分析したり、Excelに書き出して利用したりできる。

また、in-App Messaging機能を使えば、モバイルアプリ内に表示するメッセージを配信管理できる。データをもとに特性のセグメントを設けたり、位置情報を組み合わせたりして、メッセージを出すことが可能となる。

iBeaconのトラッキングも可能なので、来店計測などの分析もできる。近くにいる商品によって、表示するメッセージや商品説明を変えるなど、ターゲティングすることが可能だ。将来的には、iBeaconを使って店舗内の動線を分析することも考えられているという。

動画専用のレポートでは、再生回数や視聴状況を分析できる。セグメントの条件として利用すれば、動画がどれくらいコンバージョンに寄与したか分析することも可能だ。また、DMPと連携させて動画視聴の有無で広告を配信することもできる。

Adobe Analyticsと連携したモバイル分析も可能

Ad-Hoc AnalysisとData Workbench

続いて安西氏は、Adobe Analyticsの上位ツールとして、Segmentationの機能でも説明した「Ad-Hoc Analysis(旧Discover)」と、もう1つ「Data Workbench(旧Adobe Insight)」について解説する。

これらの機能によって、従来のWeb AnalyticsがDigital AnalyticsやMarketing Analyticsの領域へと広がり、最終的にはCustomer Intelligenceとなって、すべての顧客情報を統合して分析するものになるという。

Adobe Analyticsでは、縦軸に項目、横軸に数値といったレポートを作成できるが、Ad-Hoc Analysisでは、さらに横軸に項目を追加することで多彩な分析ができる。クロス集計数の限度に関係なく、ドリルダウンして深い分析が可能だ。訪問者単位の分析も簡単で、多数のセグメントで指標ごとに比較することもできる。

サイト分析では、動線などを可視化して訪問単位での動線の強さなどを確認できる。複数の訪問をまたいで分析し、最終的にどのような動きでコンバージョンしたのか、アトリビューション分析などを簡単に行える。

サイト分析

Data Workbenchは、CRMやコールセンター、メールなどのあらゆる顧客データを結び付けて分析できるツールだ。訪問者単位ではなく、本当の意味で顧客単位の分析ができるようになる。

安西氏は、Data Workbenchでは予測分析、リアルタイム分析などができると説明し、さらにクロスチャネルアトリビューション分析で、顧客のコンバージョンまでの動きをメール、Web、電話問い合わせ、代理店などの各セッションで分析できると述べた。

Data Workbenchでは、カスタマーアトリビュート、オーディエンスクラスタ、カスタマージャーニーなどに基づいた分析が可能で、これらの分析によって次のアクションや施策が行えるようになるという。

サードパーティサービスと連携した分析を実現

サードパーティとの統合では、さまざまなサービスと連携していることが示された(Adobe Marketing Cloud Exchange)。

たとえば、ClickTaleのレポートをAdobe Analyticsのセグメントデータで分析したり、DemandbaseのIPアドレスに基づいた企業データをAdobe Analyticsとひもづけて、どのような人が閲覧しているか調べたりできる。また、電子書籍管理ツールである、Adobe Digital Publishing Suiteとも連携し、電子書籍のどのページがどれくらい見られているのか、閲覧レポートを分析することも可能だ。

続けて、Adobe Marketing Cloudとの連携によって、Adobe Analyticsで分析したデータを「Adobe Target」に取り込んでターゲティングの条件として設定できることや、プライベートDMP(Data Management Platform)機能である「Adobe Audience Manager」で、サードパーティデータやセカンドパーティデータ(Audience Managerを入れている他の企業のデータ)を活用できることが紹介された。

アドビではコンサルティングも提供しており、「Leadership」「Strategy」「People」「Process」「Product」という、「L3PS」のフレームワークでデジタルマーケティングを推進している。

L3PSに対応したアドビのサービスメニュー

このL3PSをバランスよく実施することで、デジタルドリブンな組織を作り上げられると安西氏は説明し、最後に次のように述べた。

「これまでは、売上をあげるための直接的なマーケティング活動という意味でデジタルを使ってきた。今後のデジタルマーケティングでは、高いカスタマーエクスペリエンスを実現するためのデジタルも付いてくる。ここまで領域を広げるために我々はツールを進化させている。ブラウザだけでなく、オフラインにまで目を向けて高いカスタマーエクスペリエンスを提供することが、今後のデジタルマーケティングのキーとなる」(安西氏) 



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