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「マーケティングオートメーションツールの各社が回答する失敗しない導入の方法」2015年8月25日開催 月例セミナー 第2部

第二部では、ベネッセコーポレーションの秋山氏をモデレーターに、第一部で製品紹介を行った5社の担当者がパネリストとなってパネルディスカッションが行われた。ユーザー企業の立場から秋山氏が質問を行い、それに対して5社の最新状況が話されている。


株式会社ベネッセコーポレーション
ソリューション開発部
秋山 大志氏


第一部から続けて登壇したパネリスト。左から、日本オラクル 福田 晃仁氏、日本アイ・ビー・エム 伊東 祐治氏、セールスフォース・ドットコム 加藤 希尊氏、マルケト 丸井 達郎氏、ブレインパッド 若尾 和広氏。

ソリューションの規模感と価格帯

秋山氏:どの程度の規模からソリューションを利用できるのか。

・福田氏(オラクル)
見積が複雑なため、はっきりとした金額を言いにくいが、年商10億円くらいからというイメージでお話ししている。年商数億円単位から事例があり、初期費用数千万円となる。

・伊東氏(IBM)
B2BとB2Cの小規模な企業から導入している。IBM Campaignの前身であるUnicaは、顧客データベースが100万以上ある企業がダイレクトなアプローチを行うために作られた製品。IBM Campaignは、顧客レコード数課金となっており、アクティブと非アクティブによって異なる価格で計算している。初期の金額としては1,000万円未満のユーザーから、数億円かかるユーザーもいる。

・加藤氏(セールスフォース)
200万円、500万円、3,000万円といったボリュームで提供しており、基準はトランザクションで年間250万、1,000万、1億5,000万となっている。それにオプションを付けるどうかで金額が決まっていく。

・丸井氏(マルケト)
1万件のコンタクト管理ができるスタンダード版で月額21万5,400円から。このスタンダード版を導入されている企業が最も多い。ミニマム版だと、月額10万7,400円からとなっている。

・若尾氏(ブレインパッド)
5万IDで月額8万3,000円から。従来のProbance Hyper Marketingで100万IDの場合は、数十万円後半での運用となる。

導入はトップダウンとボトムアップ、どちらが最適か

秋山氏:トップダウンでの導入は進みやすいが、活用までいかないイメージがある。ボトムアップで各部門から広がることもあるが、トップダウンとボトムアップのどちらが成功の確率が高いのか。

・若尾氏(ブレインパッド)
企業の規模によるが、我々の顧客は企業のマーケティング部門からの発注が多い。マーケティングや分析は、IT部門ではなく、マーケティング部門が主導することが多いと感じている。

・丸井氏(マルケト)
ケースバイケースだが、現状では現場のマーケッターから始まるケースが多い。

・加藤氏(セールスフォース)
我々も、ブレインパッドさんと同じケースが多い。

・伊東氏(IBM)
成功したケースでは、トップorボトムではなく、執行役員や事業部長などの事業責任者レベルでしっかりとした目標を持って、必ず回収するという計画を描いていることが多い。

・福田氏(オラクル)
サイズがどれくらいで、戦略をだれが描くかということが重要。ボトムアップで成功する場合も、現場の人が戦略まで踏み込んだ設計を行うことでスピード感が増していると思う。
IT部門とマーケティング部門をどう橋渡ししてセキュリティを担保するかも重要。

部門間が協力して導入を進めるための理想的な形

秋山氏:IT部門とマーケティング部門がともに進める場合には、どのような形が理想か。

・福田氏(オラクル)
役割分担がはっきりした上で、両者がテーブルに乗ることが理想ではある。多くの場合、IT部門とマーケティング部門はお互いの理解が少ないが、そのなかで、我々とどううまくやっていくかが重要だと考えている。

・伊東氏(IBM)
我々は最初にマーケティング部門にアプローチして、ツールで何が行えるかを理解してもらってから、IT部門を懐柔していく。経費で処理できるような価格のクラウドもあるので、マーケティング部門だけで導入できるケースもある。

・加藤氏(セールスフォース)
Marketing Cloudは、マーケッター向けに訴求しているので、マーケティング部門が責任と予算、権限を持って導入し、セキュリティ関連でIT部門が入ってくる。その橋渡しは、我々とパートナーで行っている。

・丸井氏(マルケト)
セールスフォースさんとまったく同じに進めている。

・若尾氏(ブレインパッド)
マーケティング部門にビジネスプランを立ててもらい、IT部門に協力をお願いする。当社がマーケティング部門とIT部門の橋渡し役を務めることも多々ある。

オンプレミスとクラウド、データ管理に対する考え方の違い

秋山氏:IBMはオンプレミスとクラウドのハイブリッドだが、他の4社はクラウドが中心だ。顧客データをクラウドに置くことへの抵抗感があるのか。情報管理に対して、どのような説明やソリューションを用意しているのか。

・若尾氏(ブレインパッド)
Probance Hyper Marketingの時代は、フランスにSaaSのサーバーがあったため、大手のお客様は抵抗感があったと思う。Probance Oneは日本にデータセンターを移している。最近は、顧客のデータをクラウドに置くことに対しての合意が得られているという実感がある。

・丸井氏(マルケト)
クラウドではセキュリティ対策が必須だと考えており、ポリシーに合わせた対策を行い、我々だけで提供できない場合は、パートナーの力を借りて提案と対応を行っている。今のところ、それらの提案で合意できなかったケースはない。

・加藤氏(セールスフォース)
我々は、15年前から日本でクラウドサービスを提供しており、企業のデータをクラウドで扱ってきた。企業側が求めるセキュリティ項目のチェックリストを1つひとつ潰していきながら、保証していくプロセスを行っている。

・伊東氏(IBM)
セールスフォースさんと同じで、必ずIT部門からセキュリティに関するチェックリストが出てくるので、それに対応している。

・福田氏(オラクル)
金融や官公庁はクラウドのセキュリティを気にしており、しっかりとしたポリシーが出される。オラクルとしては、データベース自体を暗号化するなどの手段で、これらをクリアしている。


秋山氏:アクセス場所やパスワード変更のサイクル、パスワードレベルの高度化など、企業が求めるセキュリティ要件が高くなってきているが、これらにも対応しているのか。

・全員
対応しています。

日本市場への注力と今後の課題

秋山氏:グローバルなサービスが多いが、国内のサポートに不安があるという声もある。日本に対するプライオリティはどれくらいか。

・福田氏(オラクル)
日本への予算や人的リソースの割り振りは大きくなっている。世界標準で作られているが、国内の販売はパートナーと組んで接触するようにしている。

・伊東氏(IBM)
基本的に、日本向けにカスタマイズすることはなく、日本語化も米国で行っており、サポートもグローバルで行う。

・加藤氏(セールスフォース)
全世界でビジネスしているが、日本は米国に次ぐ売上となっているため、日本には大きな投資を行っている。システム面では、大本はグローバルであるが、LINE連携などのローカル連携は今後も進めていこうと考えている。

・丸井氏(マルケト)
日本市場に注力しており、日本の声をもっと集めるために日本語でのサポートをしっかり行い、コンサルティングや導入支援も行っている。

・若尾氏(ブレインパッド)
我々はフランスのProbance社と共同開発しているが、日本の要望を大幅に取り入れている。今後は、日本の製品をフランスに展開したり、アジア展開することを考えて、Probance Japan(日本法人)を設立することも考えている。

各社が考えるマーケティングオートメーションの課題と改善点

秋山氏:製品の課題や改善点は何か。

・若尾氏(ブレインパッド)
Probance社に対して改善要望やアイデアを出しているが、他の大手ベンダーに比べると、大規模な投資を行うことはできないため、すべてのアイデアを即座に形にできないケースはある。ただし、メッセージングソフトなど、お客様の要望で優先順位の高いものはどんどん採用し、全製品に反映するようにしている。

・丸井氏(マルケト)
お客様の声を聞き、Ad BridgeやMobile Engagementといった機能を追加してきた。今はロードマップについて公表できないが、今後も機能追加を行っていきたい。

・加藤氏(セールスフォース)
世の中の流れを見ると、今後はカスタマージャーニーのマルチチャネル化が重要になってくる。我々は、LINEと連携し、WeChatやWhatsAppなどとも連携してグローバルに展開している。モバイルに対応したマルチチャネルに対する要望は高い。

・伊東氏(IBM)
データエクスチェンジの部分で提携しているアドテクノロジーは海外製が多いので、国内のDMPなどのローカルなパートナーを増やしてほしいという要望が多い。

・福田氏(オラクル)
LINEとの連携の要望は多い。我々は、日本でのマーケティング分野のビジネス展開がまだ浅いので、日本語化や通貨対応などのベーシックな部分から、国内データセンターの設置まで、さまざまな要望がある。

導入はすべて順調なのか、成果を出すまでに必要な期間は

秋山氏:これまで解約があったのであれば、解約理由はどのようなものか。また、導入から運用効果がでるまでの期間や、KGI/KPIに対する考え方について教えてほしい。

・福田氏(オラクル)
我々はデータベースだけでなく、マーケティングでもNo.1を目指そうとしている。しかし、データベースは売り切りだが、マーケティングは売ってからがビジネスになるといった文化の違いがあるため、お客様の力になるために、分析から戦略をどのようなパートナーと組んで行うか広げることから始めている。導入から運用効果が出るまでの期間については、数か月から半年くらいが妥当だと考えている。解約となるケースでは、運用力不足が原因であることが多い。

・伊東氏(IBM)
オラクルさんと同じで、運用効果は3~4か月から半年で回収できるケースが多い。たとえば、月額100万円で利用していて、月に1度の定期キャンペーンで3,000万円の売上があれば毎月回収できていることになる。2014年11月から提供しているクラウドは、まだ解約がない。

・加藤氏(セールスフォース)
KGIについては、リードに対するコンバージョン率の向上、業務スピードの向上、売上の向上の3つがある。解約は、ローンチから1年くらいなので、まだない。Marketing Cloudの組織は、マーケティングから営業サポート、サービスまで、独立した組織となっており、ほとんどのメンバーがマーケティングを経験しているところが我々の強みで、今後の日本市場の成長を楽しみにしている。

・丸井氏(マルケト)
運用効果は始めた月から出ているケースもあり、3か月くらいで効果が出ているケースが多い。日本法人を立ち上げて1年数か月だが、解約は1社もない。

・若尾氏(ブレインパッド)
Probance Oneを始めてまだ1か月だが、毎月メールを打てば売上を上げることができるので、毎月回収できると考えている。Probance Hyper Marketingでは、お客様の都合によりローンチができなかったケースなどの数件を除いて、解約はない。

秋山氏:やはり、クライアント側が事業戦略やカスタマージャーニーなどのシナリオを描けていないとマーケティングツールの導入に失敗すると思う。ユーザー企業の代表として質問したが、今後もメーカーとよい関係を築けていければと考えている。

 

2015年8月25日開催 月例セミナー第1部(1)

2015年8月25日開催 月例セミナー第1部(2)

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