Web Advertising Bureau | Web広告研究会

Web Advertising Bureau | Web広告研究会

「ソーシャルメディアマーケティングに活用すべきツールとは? 米国の実情とツールの特徴を一挙解説」2013年4月23日開催 月例セミナーレポート(1) イベント報告

  • 掲載日:2013年5月24日(金)

ソーシャルメディアマーケティングに活用すべきツールとは? 米国の実情とツールの特徴を一挙解説

ソーシャルメディアマーケティングを効率的に行うために、企業はどのようなツールを活用しているのだろうか。Web広告研究会の4月の月例セミナーでは、第一部で米国の実情と日本の現状が語られ、続く第二部ではソーシャルメディアマーケティングツールを提供する各社が、それぞれの特徴を発表した。

海外IT企業の買収に見るソーシャルメディアマーケティングツールの統合化


アドビ システムズ 株式会社
マーケティング本部
マーケティングインテリジェンス部
デジタルマーケティングスペシャリスト
井上 慎也氏

第一部では、「ソーシャルメディアマーケティングに活用すべきツールとは? ~活用先進国アメリカの実情と日本の課題~」と題した講演を、アドビ システムズの井上慎也氏が行った。井上氏は、アドビや業界を代表するものではなく、あくまで個人的にヒアリングしたものだとしたうえで、「ソーシャルマーケティング活動をサポートするツール・サービス・ソリューションについて、海外のデータや海外企業の買収状況をベースに説明したい」と話を進めた。

まず井上氏は、「ソーシャルメディア集客ラボ」で昨年公開された記事「【海外事例】ソーシャルメディア関連企業の買収状況まとめ - マイクロソフト・セールスフォースなど」を引用し、米国では、オラクル、Google、マイクロソフト、アドビ、セールスフォースといった企業がソーシャルメディア関連企業の買収を盛んに行っていることを示す。「買収状況によって、各社の方向性が見えてくる」と井上氏は説明した。

続いて井上氏は、Econsultancy社「Quarterly Digital Intelligence Briefing」の2012年9月の調査を引用し、説明を続ける。英国や米国を中心にグローバルで行われているこの調査では、20~40%の企業が有料ツールを導入し、20~30%が無料ツールを使っており、どの分野でも半分以上の企業が何らかのツールを使っているという状況だ。「日本国内でこのような調査は見当たらないが、感覚的には日本企業の10~20%がツールを使っているのではないだろうか。特にリスニングやモニタリングといった傾聴に関しては、日本でもツールの導入が進んでいる」と井上氏は話す。


海外企業でのソーシャルツール導入状況
出典:Quarterly Digital Intelligence Briefing by eConsultancy Sep-2012

では、企業はどのような目的でソーシャルメディアを使っているのだろうか。同調査のアンケートで最も多いのはブランディングやアウェアネスの役割であり、続いてマーケティングキャンペーン、コンテンツマーケティング、顧客サービスと続き、企業規模にかかわらず同様の傾向となっている。

「海外では企業規模間で違いがあり、特徴的なのは、ソーシャルメディアをリードジェネレーションのチャネルとして使っているという回答が売り上げ規模150億以下の方が多くなっていること。海外では、B2B企業でリード(問い合わせや見込み客)を獲得するためにLinkedInなどを使っていることがデータから読み取れる」(井上氏)

マーケティング活動にかかわるROIのすべて数値化

ソーシャルマーケティング活動を行うには、さまざまなメディアのなかでソーシャルメディアを活用することの目的を設定し、その効果を測るKPIを設定して戦略を練っていくことが必要だ。井上氏は、こうした企業のソーシャルマーケティング活動の考え方についても日米で異なると、自社のソーシャル活動の担当者およびソーシャルメディアツールの開発者と議論したときに作った図を次に示す。


米国企業のソーシャル活動においての考え方。人件費も含めたROIのすべてを数値化する

海外での基本はすべての活動を数値化、そしてROIで考える点だ。ソーシャルマーケティングの効果を明確に数値化し、人件費も投資と捉えてコストの1つとして考えており、日本のように「そこは人が動けばタダ」という考え方はしない。そのため、ツールを導入することによって人の労力(コスト)を下げられるのであれば、積極的に導入を進めていくという。

そのうえで、「ソーシャルマーケティングの目的やROIの考え方に応じて、戦略および必要なツールは違ってくる」と話す井上氏。マーケティング、サポート、製品開発、営業といった分野によってやるべきことがそれぞれあり、それによってツールやサービス、コンサルティングが異なってくため、次の図のように、用途ごとにさまざまなサポートツールがあるのだ。

ソーシャルの担当と役割。それをサポートするツールとサービス


サポートツールの一例

そして、これらの数多くのツールや技術は、前述のように大手IT企業によって盛んに買収されているのが今の状況だ。また、アドビは「Adobe Marketing Cloud」、オラクルは「Oracle Social Relationship Management」、セールスフォースは「Marketing Cloud」というように、従来からの自社ソリューションに新たに買収したソーシャル関連の機能を加える形で統合化し、自社のソリューションの価値をより高めることが進められている。

井上氏は、個人的な意見としながら、ソーシャルメディア関連ツールやソリューションはそれぞれ独立した「個別特化ソリューション」を加えた、5つの方向性に分かれていると話す。

・個別特化ソリューション
・ソーシャル統合ソリューション
  例)コムニコ
・マーケティング統合ソリューション
  例)オラクル(CRM中心)、アドビ(Webサイト解析・トリプルメディア)
・エンタープライズソーシャル
  例)マイクロソフト、セールスフォース(Chatter)
・ソーシャルサービス強化
  例)Facebook、Twitter、Google

そのうえで、ソーシャル統合ソリューションを提供するコムニコ、CRM中心でマーケティング統合ソリューションを提供するオラクルやセールスフォース、Webサイト解析やトリプルメディア中心でマーケティング統合ソリューションを提供するアドビ、エンタープライズソーシャルを提供するマイクロソフトやセールスフォースのChatter、ソーシャルサービス強化を提供するFacebook、Twitter、Googleというように位置づけた。

最後に井上氏は、企業買収によるソーシャルサービスの強化について、Twitter、Facebook、LinkedInといったソーシャルメディアプラットフォーム自体が、動画制作、ファイル共有、写真共有アプリなどさまざまな買収を行い、自らサービスを強化していることを示す。「海外の買収を見ていくことで、今後のソーシャルの流れや方向性が見えてくると思う」と井上氏はまとめ、第二部の各社のツール紹介につなげた。

2013年4月23日月例セミナーレポート(2)

2013年4月23日月例セミナーレポート(3)

(C)2013 Web Advertising Bureau. All rights reserved.
※このコンテンツを利用して直接の対価を得るのでなければ自由に利用いただいてかまいません。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。