Web Advertising Bureau | Web広告研究会

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「ユーザー単位の行動分析へと進化したGoogle アナリティクスとデータドリブンマーケティングへのチャレンジ」 2015年6月22日開催 月例セミナーレポート 第1部 イベント報告

  • 掲載日:2015年9月17日(木)

Google アナリティクスの最新版であるユニバーサル アナリティクスの正式リリースから約2年、進化したアクセス解析ツールはどんな機能を持ち、どのようにしてマーケティング課題を解決できるのか。「Web解析ツールの最新状況 ~進化した解析ツールでできること~」と題したWeb広告研究会の6月月例セミナーでは最新情報や活用法が紹介された。

デバイスの多様化などに対応して進化したGoogle アナリティクス


グーグル株式会社
マーケティングテクノロジー営業部
Google アナリティクスプレミアム
統括部長
今井 紀夫氏


第一部に登壇したグーグルの今井紀夫氏は、「アクセス解析のプラットフォームが進化して、今何ができるのかを見ていきたい」と話し、2005年にアクセス解析ツール「Urchin」をもとに開発された「Google アナリティクス」が、2014年発表の「ユニバーサル アナリティクス」までどのように進化してきたかを示した。


Google アナリティクスの進化

今井氏は以前のGoogle アナリティクスについて、PCを利用してWebサイトに訪問した人のデータを収集するために使われていたと説明する。しかし、この10年間で環境は大きく変化し、スマートデバイスが普及して、さまざまな端末で情報にアクセスするようになった。

「Micro-Moments - Think with Google」

マーケティング業界では、商品の購買決定に対して実際に店舗で商品に触れ合った数秒が大きな影響を与える「First Moment of Truth」という考え方があるが、インターネットの登場によって「Zero Moment of Truth」という概念が生まれた。消費者は、商品に触れる前から、インターネットでさまざまな情報収集やブランド体験をしているという考え方だ。

そして、デバイスの多様化などによって進化した概念が「Micro-Moments」だ。さまざまな瞬間が個人にとって重要で、それらの瞬間をマーケッターがいかに活用できるかがカギになると今井氏は説明した。

現在のGoogleアナリティクスは、次の図のような役割を持っている。Webサイトだけでなく、モバイルサイトやモバイルアプリも分析対象となり、マルチデバイスに対してユーザーデータを把握するようになっているのだ。また、広告プラットフォームとの連携によって、サイトの集客を効率的に進める仕組みも作られている。


Google アナリティクスが持つ役割


上記の図の左側では、外部データを使ってマーケティングを行うのに対し、右側では社内データを使ったマーケティングが行われると今井氏は説明する。自社内の顧客データやコールセンター、店舗での販売データなど、さまざまなデータを活用するハブの役割として、Google アナリティクスを利用することもできる。

セッション単位からユーザー単位の分析へ

蓄積(Accumulate)、分析(Analyze)、行動(Act)という分析サイクルのなかで、ユニバーサル アナリティクスでは、広告主自身が利用している ID を「User-ID」によって付与することで、ログインユーザーのマルチデバイス環境下での行動を理解できるようになっている。

蓄積されたデータをセッション単位で見ていくのではなく、複数のデータを統合した文脈で分析して、次のアクションにつながるような意思決定ができるようになった。

ユニバーサル アナリティクスの「ユーザー」セクションにある「ベンチマーク」という機能では、同業他社サイトの平均的なデータと自社サイトのデータを比較することで、自社サイトの課題などを見つけやすくしている。



同業他社やセッション数が近いサイトなどのデータと比較できる「ベンチマーク」


アクションを支援する機能としては、前述のような広告プラットフォームとの連携によって、たとえば、資料請求済みと資料未請求のユーザーを分けて、未請求のユーザーだけに対してリマーケティングのアプローチを実施することが可能になる。

 

Google アナリティクスの機能で何を分析できるか

続いて今井氏は、実際のユニバーサル アナリティクスの管理画面のデモを見せながら説明を続ける。あらかじめ設定することによって、異常値が発生したときにアラートを出せる「インテリジェンスイベント」、現在のアクティビティを確認できる「リアルタイム」などを紹介した今井氏は、最も利用頻度が高いと思われる「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の説明に移る。

これらについては、「ユーザー」で全体をとらえて、サイト上の一連の動きの順に、「集客(Attract)」「行動(Behavior)」「コンバージョン(Conversion)」というABCの順で見ていけばいいという。


集客、行動、コンバージョンの順で分析していく


現在のアクティビティを確認できる「リアルタイム」


新たに追加された「コホート分析」は、キャンペーンなどでサイトを訪問したユーザーが、グループごとに一定の期間でどのような行動をしているかを分析できるものだ。たとえば、ある1週間の間に訪問したユーザーが2~3週目にどれくらい来ているか、最初にサイト訪問をした日時が近いグループごとに再訪問率を確認して、キャンペーンの効果を測ることができる。



サイト初回訪問日時などのグループごとに訪問再訪率などを確認してキャンペーンの効果などを測れる「コホート分析」

また性別、年齢やインタレストカテゴリ別のデモグラフィックデータを見ることができるのも、ユニバーサル アナリティクスの特徴の1つだ。

「行動」の中でユニークなのは、サイトのどこを修正すれば速度を上げられるかを提案してくれる「速度の提案(PageSpeed Insights)」という仕組みだ。PCとモバイルの両方で速度向上のための修正が示される。


Webサイトの表示速度向上のための修正を提案する「PageSpeed Insights」

「コンバージョン」の「目標」は、資料請求や販売などの明確な目標がない場合でもテンプレートから選択することが可能となっている。

また、「アトリビューション」の「モデル比較ツール」では、コンバージョンへの貢献度をラストクリックだけでなく、「終点」「線形」「起点」などのさまざまなモデルから設定することが可能で、プレミアム版を導入すれば、さらに各チャネルの貢献を自動計算する「データドリブン」モデルも活用できる。これらをAdWordsなどと連携すれば、キーワード単位やクリエイティブ単位で分析することが可能となり、予算の最適化などに役立てられる。


アトリビューションモデル

データドリブンマーケティングに向けたチャレンジ

続けて今井氏は、データドリブンマーケティングに向けて、テクノロジーを活用し、利益を増やしたり、ビジネス上の課題解決をゴールに設定したりすることの重要性に触れた。

また、AdWordsとGoogle アナリティクスを接続してデータ統合することも重要だ。前述のアトリビューション分析をAdWordsと連携させれば、広告接触とその後の結果が可視化できるため、ディスプレイ広告やバナー広告を適正に運用できるようになる。

プロジェクト関係者のコミュニケーションをスムーズにすることも、大きなポイントだという。たとえば、Google アナリティクスプレミアムのリセラーは、広告主の技術部門と話すことが多い。だが、マーケティングや営業部門と直接会話をすることで、より早くデジタルアナリティクスを推進できるようになると今井氏は話した。

コミュニケーションパスを整理する

Google アナリティクスに関する4つの質問

最後に今井氏は、多くの人から問われる4つの質問を紹介した。

・ユニバーサル アナリティクスとは?
Google アナリティクスからユニバーサル アナリティクスに移行するには、解析用のタグを置き換える必要がある。タグの最後が「ga.js」または「dc.js」であれば旧バージョンのGoogle アナリティクスであり、「analytics.js」であればユニバーサル アナリティクスが導入されていることがわかる。また、最終的に以前のバージョンのデータ収集は終了するため、無償版であっても移行が必要なことも強調された。移行の詳細については、「ユニバーサル アナリティクスアップグレードセンター」(英語)が参考になる。

・無料版の規約が変更?
月間1,000万ヒット数が上限だと、「データ制限」のヘルプが更新されたことが話題になっていたが、これまでも、無償版では1,000万ヒットの制限を超えた場合に管理画面でアラートなどが表示されていた。今回利用規約の変更があったわけでなく、対応などが変わったということもないという。

・AdWordsでのアトリビューションとの違いは?
AdWordsによるアトリビューション分析に比べ、AdWordsとGoogle アナリティクスを組み合わせることで、AdWords以外の広告媒体もパラメーター設定によってクリックベースでの分析が可能になる。アフィリエイトやメールなど、Google アナリティクスで取得できる広告以外の取り組みも対象にできる。

また、グーグルの広告プラットフォームDoubleClickとGoogle アナリティクスプレミアムとの組み合わせでは、AdWords以外の広告媒体もインプレッションベースで分析可能になる。

・活用方法をより学ぶためには?
グーグルでは、Google アナリティクスの活用方法について、さまざまなリソースを提供している。一部英語ではあるが、今井氏はいくつかのページを参考情報として紹介した。また、これらのページに含まれている英語の動画は、設定変更で日本語の字幕を表示することもできる。

Google アナリティクスに関する情報
ヘルプページ
GoogleDevelopers
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リリースノート


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