Web Advertising Bureau | Web広告研究会

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「C Channel・Twitter・TikTok Adsが語る、動画プラットフォーマー/メディアの本音」2019年8月27日開催 月例セミナーレポート(1) イベント報告

  • 掲載日:2019年11月1日(金)

注目の動画プラットフォームとしてC Channel、Twitter、TikTok Adsの3社が登壇。各社の最新情報に加え、動画広告の事例や効果、これからの方向性について、赤裸々に語った。




公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会(以下、Web広告研究会)は8月27日に月例セミナーを開催。「知らないとまずい動画プラットフォーマーと動画メディアの本音」というテーマのもと、まず第一部では、
・C Channelの武藤 崇雄 氏
・Twitterの篠原 佳名子 氏
・TikTok Adsの田村 千秋 氏
という3名が登壇し、各社の取り組みについて話した。


【C Channelの動画】自分でも試したくなる、心を動かす動画広告

まず、約2,700万人のフォロワーを持つ日本最大級の女性向け動画メディアであるC Channelの武藤崇雄氏が登壇した。


写真: 武藤 崇雄 氏(C Channel株式会社) 動画: C Channelの紹介動画


C Channelのユーザー属性は、92%が女性、70%が18−34歳でボリュームゾーンは23−25歳の女性となっている。「 FIND YOUR "CAWAII" WAYあなただけのカワイイを見つけて!」をメディアコンセプトに、ヘアメイク、美容、ファッション、恋愛、食、DIYなどのジャンルの動画コンテンツを提供する。

最近は、ママ向けメディア「ママタス」を開始するなど、ユーザー層を広げている。


図: C Channelのユーザー属性


「C Channelには、編集部が作るコンテンツに加えて、クリッパーと呼ばれるインフルエンサーが作るコンテンツがあることが特徴。編集部は半歩先行くトレンドを発信するのに対し、クリッパーは圧倒的な親近感・共感がある」(武藤崇雄氏)

C Channelの閲覧ユーザー側に視点を変えると、その特徴として動画で紹介されていることを実際に自分でもやってみたことがあるというユーザーが66.5% にのぼることがある。武藤氏は「カワイイを試す、体験したくなるメディア」と表現する。


図: C Channelのユーザー属性


「人が動く」動画広告

広告においても、このメディア特性を活かして、人が動く広告を目指している。DMPを使ってF1層のインサイト理解、トレンドの分析を行ったうえで「ジャンル、切り口、クリッパーを掛け合わせることで、人の心を動かす広告を提供できる」と武藤氏は言う。


図: C Channelの広告コンテンツの作り方


事例として紹介されたのは、花王のヘアケア用品のネイティブ広告動画だ。

C Channel内での検索推移を調べると、3月に検索ボリュームが増えるキーワードとして「前髪」がある。そこで、前髪アレンジのハウツーを紹介する1分弱の動画を作成した。前半はあくまでも前髪アレンジ方法を解説する内容であり、ヘアケア用品が登場するのは後半約40秒からだ。
動画: 編集部コンテンツとして作成した、「くずれない『ふんわり前髪』の作り方」を解説する動画


「ユーザーはいわゆるCMではなく、前髪という課題から自分ごととして動画を見る。紹介された前髪アレンジを実践する時に、商品が選ばれるようになる。
この広告配信後、商品が2倍以上売れた。広告として『動きたくなる、やってみたくなる』という価値提供ができたからだろう」(武藤崇雄氏)

なお、C Channelでは動画だけでなく、イベントや店頭広告などとも組み合わせたプロモーションも可能だ。

「毎月大量の動画を配信しながら得た知見を活かしたワンストップソリューションが可能。ネイティブ動画広告、クリッパー動画ともに、親近感、距離感の近さで配信できている」と話した。



【Twitterの動画】これを知っていればTwitterで動画広告を語れる

続いて登壇したのは、Twitterの篠原佳名子氏。

「スパムアカウント、フェイクニュース、ボットなどを排除しているため、伸びは鈍化しているように見えるが、日本では4,500万人以上のMAU があり、幅広い世代に活発に使われている。関東圏は電車通勤があるので、通勤中の“ながらTwitter” が発展のポイント」と篠原氏は説明する。


写真: 篠原 佳名子 氏(Twitter Japan株式会社、@kanakoism48


他のソーシャルメディアが「自分起点」での投稿が多いのに対し、 Twitterの投稿には自分以外のモノやコトを共有する特性がある(「Look at This」な投稿)。Twitterは、リツイートによる拡散力があるうえ、匿名性、リアルタイム性、ユーザーの熱量などからTwitterを起点としたバズが発生し、トレンドの話題になることも多い。


図: Twitter投稿の特徴として、自分以外のモノやコトを共有する特性がある


篠原氏はTwitterの特徴的な利用態度として「ディスカバリーマインドセット」があるという。これは、Twitterに情報を自ら探しに来る利用者が多いことを指す。Twitterのタイムラインでは情報がリアルタイムで更新されていくので、たとえば「電車の遅延情報」「駅の混雑状況」といった “今、知りたい情報”をTwitter検索で探せるのだ。


図: Twitter投稿の特徴として、自分以外のモノやコトを共有する特性がある


動画広告のフォーマットは多数あるが、スポンサーシップ型に注目

そしてTwitterでは動画が「会話の火付け役」になることも多く、さまざまなフォーマットの動画広告を用意している。


図: Twitterの動画広告フォーマット


売れ筋の広告商品として篠原氏がおすすめするのが「スポンサーシップ」。これは他のメディアや芸能事務所とのタイアップ広告であり、「既存メディアとのシナジーが得られるのでお得だ」という。

事例として紹介されたのは、ウェザーニュースをパートナーとした広告だ。

ウェザーニュースでは、天気にまつわる情報をさまざまな形で提供しているので、そのコンテンツと合わせて広告を配信するといったものだ。

たとえば、お天気キャスターが明日の天気を予報しその一環で「雨の日頭痛」を解説。さらにその解決策としてお天気キャスターが頭痛薬をインフォマーシャル風に紹介するという流れだ。天気予報の後なので頭痛薬に興味がない人にも見てもらえるという強みがある。
 

 

動画: ウェザーニュースのアカウントで投稿された、ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)の広告動画

 

 


最後に篠原氏はTwitterでの動画活用のおすすめ方法として、「Twitterは新しい情報に敏感なユーザーが多いので、新サービス、製品ローンチなどで認知を取りたい時に使える。また、マスメディア、あるいは既存のメディアとの連動施策も得意。あえて、趣味でつながるスモールマスに刺さる文脈で出すことも得意」のように紹介した。



【TikTokの動画】「意味なんて無い」楽しい時間が人を動かす

第1部の最後に登壇したのは、TikTok Adsの田村 千秋 氏。

TikTokは動画を中心としたプラットフォームで、最大15秒、または60秒のショートムービーで若い世代に人気のサービスだ。「2018年の夏から本格的にビジネスを展開したのですが、あっという間に成長し、世界150の国と地域で展開している」と田村氏は紹介する。



写真: 田村 千秋 氏(バイトダンス株式会社)


TikTokの特徴は没入感だ。 1人あたりの1日の閲覧時間は42分、およそ120−160本の動画を見ているという。しかも見るだけでなく、動画を投稿したことのある人は66%、動画への「いいね」などエンゲージしたことのある人は91%にのぼる。

TikTokが急速に成長した背景にあるのが「テクノロジー」だ。TikTokでは、機械学習による強力なレコメンデーションに加えて、画像認識技術とARエフェクトを使ったスタンプなどさまざまな最新技術を導入している。

さらに田村氏は、TikTokの急成長に関係する外的要因として、次の3つをあげた。

・動画環境の進化
・インフルエンサーからユーザーが主役になり、だれもが情報発信できるようになったこと
・自己表現世代の台頭

TikTok世代の価値観やコミュニケーションの流儀はまったく違う?

デジタルネイティブ世代は、文字や画像のコミュニケーションから、動画を見る・撮ることによるコミュニケーションにシフトしている。田村氏は「個人的な感覚だが、動画がコミュニケーションの中心になると、直感的、感覚的に判断するユーザーが増える。おしゃれを楽しみたい、みんなを引っ張りたい、好かれたい、そんな風に考えるユーザーが集まっている」と話した。

そうしたTikTok世代のユーザーをマーケティング視点でみると、「今はモノも情報も飽和している。満ち足りた時代だから、ニーズや欲求を満たすだけのマーケティングではない手法が必要になってきているのではないか」と田村氏は語る。

TikTokでは、そうした世代のユーザーの価値観を「Wish」「Whimsical」という言葉で表現している。
Wish 」とは、「より良い世の中に変えたいという想い」のこと。既存のマーケティングでいう「ニーズ」「ウォンツ」ではなく、「願い」とでも呼ぶべき気持ちだという。
Whimsical 」は、「気まぐれ、思いつき、ナンセンスだけど面白い」という概念。こちらも既存のマーケティングでいう「欲求」とは異なる、「意味なんてない楽しい瞬間」なのだという。


動画広告も「意味はないけど純粋に楽しい」に訴求、さらなるテクノロジーの活用も

そうした動画を主軸としたTikTokの動画広告事例として田村氏が紹介したのは、江崎グリコの「ポッキー&ブリッツの日」のキャンペーン。このキャンペーンでは、楽曲とダンスの振りを公開、それをユーザーが真似していくというものだ。



ポッキー&プリッツの日のキャンペーンは純粋に「楽しい」を突き詰めたもの(参考リンク


田村氏はこうしたキャンペーについて、「おいしい・便利といった製品の価値を訴求するのではなく、TikTokで一緒に撮ったり視たりすることが『楽しい』から販売につながる」と、「意味はないけど楽しい」という新しくて直感的な訴求を説明する。



最後に田村氏はTikTokには、さまざまな新しいテクノロジーが採用されていることを紹介した。たとえば、次のようなものだ。

・顔認証技術によって、「髪の毛の色だけ」「カラーコンタクトの色だけ」をフィルターで変えていく


・顔や体の動作を認識して、「顔がこちらを向いているときだけ蝶々のスタンプを飛ばす」「手でハートの形を作るとハートのスタンプが登場する」などスタンプと連動する


・撮影対象を魅力的に映す美肌効果を瞬時に適用する



これらには映像から手の形や顔のパーツを認識する高度な機械学習が使われているが、ユーザーからみれば純粋に「楽しい」をドライブする新しい機能となっている。

◇ ◇ ◇

C Channel、Twitter、TikTok、どのプラットフォームにおいても、動画が重要なコミュニケーションフォーマットとして定着し、購買につながる広告サービスを用意していることがわかった。

・C Channel:自分でもできる、試したくなる動画が、商品の購入を促す
・Twitter:日ごろの関心事にあわせて、商品情報を載せることで自然に情報が受け止められる
・TikTok:楽しいから動画を撮る。楽しいから広告キャンペーンにも参加して、買いたくなる

 

 

 

 


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